みなさんこんにちは。奈良県香芝市の自費リハビリ施設
脳梗塞リハビリMe:RIZE(ミライズ)の理学療法士
城内洋人です。
今日は、脳腫瘍の発生要因、発症時対応、効果的なリハビリについてお話していきますね。
ぜひ最後までお付き合いください。
脳腫瘍は、脳やその周辺組織に発生する腫瘍の総称で、良性と悪性のものがあります。以下に、脳腫瘍の種類、症状、診断、治療法について詳しくご説明します。
〇 脳腫瘍の分類
原発性脳腫瘍
脳の細胞や組織から直接発生する腫瘍で、以下のような種類があります:
神経膠腫(グリオーマ):脳実質内に発生し、悪性度が高いものが多い。
髄膜腫:脳を包む膜から発生し、通常は良性。
下垂体腺腫:ホルモン分泌に関与する下垂体から発生。
神経鞘腫:神経を覆う鞘から発生し、良性が多い。
転移性脳腫瘍
他の臓器(肺、乳房、大腸など)からのがんが脳に転移してできる腫瘍です。
〇主な症状
腫瘍の位置や大きさにより症状は異なりますが、一般的なものとして:
頭蓋内圧亢進症状:頭痛(特に朝方)、吐き気、嘔吐など。
局所症状:手足の麻痺、感覚障害、視力・視野の異常、言語障害、てんかん発作など。
認知機能の変化:記憶力低下、集中力の低下、性格の変化など。
これらの症状が徐々に進行する場合、脳腫瘍の可能性があります。
〇診断方法
脳腫瘍の診断には以下の検査が行われます:
画像検査:MRIやCTスキャンで腫瘍の位置や大きさを確認。
脳血管造影:腫瘍と血管の関係を調べる。
生検:腫瘍の一部を採取し、病理検査で良性か悪性かを判断。
これらの検査結果を基に、腫瘍の種類や悪性度(グレード)を評価します。
〇治療法
治療は腫瘍の種類、位置、悪性度、患者の全身状態などを考慮して選択されます:
手術:可能な限り腫瘍を摘出。脳の重要な機能を損なわないように注意が必要。
放射線治療:腫瘍の増殖を抑えるために行われます。
化学療法:抗がん剤を用いて腫瘍細胞を攻撃。
緩和ケア:症状の緩和や生活の質の向上を目的とした治療。
治療法は単独または組み合わせて行われることが多く、患者一人ひとりに最適な治療計画が立てられます。
〇受診のすすめ
頭痛や視覚異常、言語障害などの症状がある場合、早めに脳神経外科や神経内科を受診してください。
詳しい情報や最新の治療法については、国立がん研究センターの「がん情報サービス」も参考になります。
次に脳腫瘍の発症要因(リスクファクター)について、整理しました。
〇主なリスク要因
- 明確な原因は不明
脳腫瘍の多くは、はっきりした原因が明らかではありません。遺伝や環境因子などの複数の要素が関与していると考えられています。 - 放射線被ばく
最も確実な環境リスク因子:がん治療などで頭部に高線量の放射線を受けた経験。
過去には、頭皮の放射線治療が後の脳腫瘍リスクを高めた事例も報告されています。
- 年齢・肥満・高身長
年齢:高齢者に発症リスクが高まります。
肥満:BMIが高いと、特に髄膜腫のリスクがやや増加する傾向があります。
高身長:欧米の研究では、身長190cm以上の人は160cm未満の人より髄膜腫のリスクが倍に。BMIとも関連あり。
- 遺伝的要因
遺伝性疾患:神経線維腫症、Li‑Fraumeni症候群など特定の遺伝病では発症しやすい。
ただし、脳腫瘍全体では遺伝的要因が関与するのは約5〜10%程度とされます。
- 化学物質・放射線(電磁波など)
N-ニトロソ化合物:加工肉や受動喫煙による曝露が報告されています。
受動喫煙:副流煙のニトロサミンとの関連指摘。
極低周波電磁波:高圧線や変電設備近くでの生活がリスク増加とする報告あり(因果関係は不明)。
- ウイルス感染
SV40、EBV、JCウイルスなどが一部の脳腫瘍に関与する可能性が研究されていますが、証拠は限定的です。 - その他(スマホ・農薬など)
農薬・職業曝露:極一部の疫学研究で関連が示唆されています。
携帯電話の使用:若年で長時間使用が「聴神経腫瘍」や「神経膠腫」のリスクを2倍近く高めたとする健康発表もありましたが、証拠は不一致で評価は慎重です。
- ストレスとの関係
ストレス自体が直接脳腫瘍を引き起こす明確な証拠はありません。酸化ストレスのような細胞レベルの影響が間接的な因子として挙げられる程度です。
〇 要点まとめ
リスク要因 発症との関係
放射線被ばく 最も確かな環境的リスク
年齢・肥満・高身長 明らかな関連(肥満・高身長はややリスク)
遺伝性疾患 ごく一部(全体の5〜10%程度)
化学物質・電磁波曝露 証拠は限定的だが注意要
ウイルス感染 可能性ありだがまだ解明途上
ストレス 直接的な原因とは言えない
まとめ
脳腫瘍は複数の要因が重なって発生するとされ、放射線被ばく以外は明確な実証が少なく、一部は遺伝や環境の偶然によって起こると考えられています。そのため予防は、最小限の放射線曝露や生活習慣、一部の有害化学物質の回避など、対策可能なリスク要因に重点を置くのが現実的です。
不安がある場合は、家族歴や過去の放射線治療歴をかかりつけ医に相談し、必要であれば画像検査や遺伝カウンセリングの検討もできます。
次に脳腫瘍が発症した(疑われた)際の初期対応について、整理しました。
- 緊急対応・症状の安定化
ステロイド投与
脳浮腫や頭蓋内圧亢進による症状(頭痛、吐き気、意識障害など)を緩和するため、デキサメタゾンなどのコルチコステロイドが標準的に使用されます。投与後24~72時間で症状の改善が見込まれますが、副作用にも注意が必要です。
抗けいれん薬の投与
発作(てんかん)がある場合は、ラモトリギンやトピラマートなどの新世代抗けいれん薬を用い治療します。発作歴がなくても、脳転移では症状予防のために抗けいれん薬が検討されることもありますが、非推奨のケースもあります。
- 精密検査と診断
画像診断
MRI(造影-enhanced MRI)は腫瘍の位置・形状・周囲の浮腫状況を包括的に評価でき、初期診断でも最も重要です。
必要に応じてCT、脳血管造影なども併用されます。
組織診(生検・開頭摘出)
放射線や化学療法に入る前に、病理組織学的な確定診断を目的として生検や摘出手術が行われます。これにより治療アルゴリズムが決定されます。
- 多職種チームによる包括的治療計画
チーム構成
脳神経外科医、脳腫瘍内科医(腫瘍内科)、放射線腫瘍医、看護師、リハビリ専門医、緩和ケア医、ソーシャルワーカーなどが連携。
日本脳腫瘍学会の2024年ガイドラインでは、多職種アプローチと個別化医療の推進が強調されているようです。
初期治療選択の基準
腫瘍の種類(原発性 or 転移性)
数、サイズ、部位
患者の全身状態(Karnofsky Performance Status)
既往歴や併存疾患の有無など。
- 治療モダリティー
モダリティー 目的
手術 症状緩和・診断・腫瘍摘出
放射線治療 局所制御、特に小さな転移や切除できない部位に対して。定位放射線治療(ガンマナイフなど)も含みます。
化学療法 メソトキセミドや含さらに、神経膠芽腫では放射線と併用のテモゾロミドが標準的(生存期間延長)。
支持療法 ステロイド、抗けいれん薬、脳浮腫対策、リハビリや生活支援も含みます。 - フォローアップと再評価
一度治療を開始したあとも、定期画像診断(通常3〜6ヶ月ごと)と臨床評価で再発や残存腫瘍をモニタリングします。
転移性腫瘍では、初年度は3ヶ月ごと、以降は4〜6ヶ月、2年後からは年1回の経過観察が推奨されます。
〇 まとめ:初期対応ステップ
症状安定化(ステロイド・抗けいれん薬)
精密画像検査(MRI中心)
組織診による病理確定
多職種チームで治療戦略を立案
手術・放射線・化学療法による治療開始
経過観察と再評価、支持療法継続
〇 最後に
緊急性の高い状態(意識障害やけいれんなど)では、速やかに救急対応→画像とステロイド治療を開始することが重要です。
その後、精密診断→多職種チームで治療方針→継続的モニタリングという流れがガイドラインに沿った標準的な流れです。
日本脳腫瘍学会2024年ガイドライン及びNICE(英国)のガイドラインにも準拠し、安全で最適な治療を進めるのが基本方針です。
必要であれば、これらの流れを症状や腫瘍タイプ別にさらに細かく具体化してご説明することもできますので、お気軽にご相談ください。
次に脳腫瘍の治療後に効果的なリハビリテーションです。身体・認知・心理の複合的な回復を目指し、早期から多角的に取り組むことが鍵です。最新の研究やガイドラインに基づいて、以下のポイントに整理しました。
- 早期リハビリ(プリハビ+ポストオペ)
術前からのリハビリにより、合併症予防・呼吸筋の強化・早期離床へ導く。国立がん研究センターも、予防リハビリの重要性を強調しています。
手術直後~入院中も理学療法・作業療法を行い、BI(Barthel Index)などでも有意な改善が確認されており、とくに神経膠腫よりも髄膜腫で効果が高い傾向です。
- 集中的な身体機能向上
理学療法(PT):筋力/バランス/歩行訓練、ストレッチ、有酸素運動を組み合わせ、週150分以上の活動量が望ましいです。
作業療法(OT):日常生活動作(ADL)の自立を目指し、家事・身支度など生活に直結した動作を反復訓練。
- 認知・言語リハビリ
認知機能(記憶・注意力):タブレットやPCを用いた訓練プログラムが、疲労感・精神的負担を軽減しながら認知機能の改善に有効とされています。
言語療法(ST):発話や理解に難がある場合、発声やコミュニケーション訓練を継続することで機能改善が期待されます。
- 高度な介入技術の活用
集中的リハビリ:脳卒中向けに有効とされた集中リハビリを脳腫瘍にも応用し、神経症状改善が確認されています。
VR/ウェアラブル機器:歩行やバランス訓練に新技術を取り入れることで、楽しみながら継続しやすく、効果の向上が期待されています。
- 多職種連携と心理的サポート
医師・リハビリ科医・PT・OT・ST・看護師・MSWなどがチームを組み、回復状況に応じた個別プログラムを策定します。
心理的対応も重要で、不安やうつ症状に対して認知行動療法や occupation-based interventions による支援が有効です。
- 退院後も継続できる支援
在宅や通所リハビリでは、家屋調整、ADL訓練、訪問PT/OT/STによる定期的なサポートが可能で、社会復帰や生活の質維持に役立ちます。
継続的な介入が、患者の安心感とモチベーションを高める重要な要因となります。
〇 まとめ
要素 内容
開始時期 術前〜術後早期、入り口からの介入が効果的
身体機能 筋力・バランス・歩行・有酸素運動の集中的訓練
認知・言語 タブレット教材、会話訓練など専門的支援
技術応用 集中リハビリ、VRやウェアラブル活用
チーム連携 医療・リハビリ・心理専門家が協力
退院後支援 在宅・通所リハビリで継続と生活支援
〇 実践アドバイス
まず相談すべき相手:主治医・リハビリ科医などに「術前からリハビリしたい」と希望を伝えること。
継続の環境整備:病院のリハビリ室、自宅訪問、通所型施設のいずれかを利用し、定期リハビリを続ける。
家族の関わり:日常的な訓練の補助、心理的支援、環境調整は回復を大きく助けます。
リハビリは短期集中での効果もありますが、やはり 継続と専門連携が最終的な生命の質や機能回復には不可欠となります。
いかがでしたか?
皆様の健幸の一助になれたなら幸いです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
株式会社エイジエル
脳梗塞リハビリMe:RIZE(ミライズ)
城内 洋人

【脳梗塞リハビリミライズとは】
奈良や大阪を中心に脳卒中などのリハビリにお困りの方々へ自費リハビリを提供している理学療法士を中心としたオーダーメイドのリハビリ施設です。
またボツリヌス療法の第一人者である勝谷将史医師に定期的に起こし頂き、脳卒中特有の筋肉のこわばりを軽減させるボツリヌス療法や装具外来をサービスの一つに持ち、医師の指示の下、安全にリハビリを受けることが可能なリハビリ施設でもあります。
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