小脳しょうのうは頭の後方に位置する大脳だいのうに次いで大きな脳の部位です。

小脳は主に運動を司っているところで、ここに出血や梗塞こうそく(血管が詰まること)が起こったり変性を生じたりすると、「失調しっちょう」という運動機能への影響が出ます。

起立・歩行時にふらつく、何かを持とうとすると手が震えだして取り落とす、言葉を発する時に呂律ろれつがまわらない、誤嚥ごえん(食べ物・飲み物が誤って気道に入る)を生じやすいという状態が代表的です。

失調(しっちょう)

特に強いふらつきを生じるので、転倒しないよう筋力を維持しつつバランス能力や歩行能力を保ち続けるリハビリが必要です。

屋内を安全に移動するために、床上動作しょうじょうどうさ(床からの立ち上がり‐座り込み、床上移動)の練習を行うこともあります。

誤嚥ごえんによる肺炎はいえん誤嚥性肺炎ごえんせいはいえん)は生命にも関わりますので、誤嚥ごえんを予防するための嚥下訓練えんげくんれん(飲み込みの訓練)も必須です。