ぬくもり奈良ステーション

YouTube
Instagram
LINE
その他

くも膜下出血の要因、発症時の対応、効果的なリハビリについて

みなさんこんにちは。奈良県香芝市にあります自費のリハビリセンター
脳梗塞リハビリMe:RIZE(ミライズ)の理学療法士、城内洋人です。

今日は、くも膜下出血の要因や発症時の対応、効果的なリハビリについてお話させていただきます。
ぜひ最後まで、お付き合いくださいね。

まずくも膜下出血とは何か?要因は何か?についてお話させていただきます。
くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)は、脳を覆う膜の一つである「くも膜」と脳の間にある「くも膜下腔」に出血が生じる、生命に関わる重大な脳卒中の一種です。主な原因は、脳の動脈にできた「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」と呼ばれるこぶ状の膨らみが破裂することです。

主な症状
くも膜下出血の典型的な症状は以下の通りです:

突然の激しい頭痛:「バットやハンマーで殴られたような痛み」や「雷が落ちたような痛み」と表現されることがあります。

吐き気・嘔吐:頭痛に伴って起こることが多いです。

意識障害:意識がもうろうとしたり、失神することがあります。

視覚障害:物が二重に見える、視野が欠けるなどの症状が現れることがあります。

けいれんや首のこわばり:重症の場合に見られることがあります。

これらの症状が現れた場合、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診することが重要です。

前兆や初期症状
くも膜下出血の約20%の患者に、発症前に以下のような前兆が見られることがあります:

警告頭痛:ズキズキとした軽度の頭痛が数時間から数日前に現れることがあります。

視覚異常:物が二重に見える、まぶたが下がるなどの症状が現れることがあります。

吐き気やめまい:軽度の吐き気やめまいが前兆として現れることがあります。

これらの前兆がある場合でも、症状が軽いため見過ごされがちですが、注意が必要です。

原因とリスク要因
くも膜下出血の主な原因は、脳動脈瘤の破裂です。以下のような要因がリスクを高めるとされています:

高血圧:血管にかかる圧力が高まり、動脈瘤の破裂リスクが増加します。

喫煙:血管壁を弱くし、動脈瘤の形成や破裂のリスクを高めます。

過度の飲酒:血圧の上昇や血管への影響により、リスクが増加します。

家族歴:家族にくも膜下出血を発症した人がいる場合、リスクが高まります。

診断と治療
くも膜下出血が疑われる場合、以下のような検査が行われます:

頭部CTスキャン:出血の有無を迅速に確認できます。

MRI検査:詳細な脳の画像を取得し、出血の範囲や他の異常を確認します。

脳血管造影:動脈瘤の位置や形状を詳しく調べます。

治療法としては、以下のようなものがあります:

開頭クリッピング術:破裂した動脈瘤の根元をクリップで閉じ、再出血を防ぎます。

コイル塞栓術:カテーテルを使って動脈瘤内にコイルを詰め、血流を遮断します。

治療後は、再出血や脳血管攣縮、水頭症などの合併症に注意しながら、リハビリテーションを行います。

予後と後遺症
くも膜下出血は死亡率が高く、発症後の死亡率は約50%とされています。また、命が助かっても約50%の患者に重篤な後遺症が残ることがあります。代表的な後遺症には、手足の麻痺、言語障害、記憶障害、視覚障害などがあります。これらの後遺症に対しては、リハビリテーションを通じて機能の回復を目指します。

予防策
くも膜下出血を予防するためには、以下のような生活習慣の改善が重要です:

血圧の管理:高血圧を防ぐために、塩分の摂取を控え、適度な運動を心がけましょう。

禁煙:喫煙は血管に悪影響を及ぼすため、禁煙を推奨します。

節酒:過度の飲酒を避け、適量を守ることが大切です。

定期的な健康診断

次に発症時の対応についてになります。

発症時(急性期)の対応は、再出血の予防と脳圧・血圧管理、そして原因検索と早期治療に集中します。以下、段階ごとに詳しく解説します。

  1. 救急(発症直後:プレホスピタル)
    119番通報・救急搬送を速やかに
    「雷鳴頭痛」「突然の人生最悪の頭痛」「意識消失」などがあればすぐ救急車を呼ぶべきです。

発症24時間以内の 再破裂リスク が最も高いため、緊急対応が重要です。

初期現場対応:バイタルと意識のモニター
血圧、意識状態、呼吸状態を記録し、頭部外傷の有無も確認します。

  1. 緊急受診〜救急外来
    くも膜下出血を強く疑った即時対応
    “今まで経験したことのない強烈な頭痛”の場合、即座にSAHを前提に対応 。

血圧コントロール
100–160 mmHg程度に収縮期血圧を抑え、再出血の危険回避。

鎮痛・鎮静
鎮痛薬(モルヒネなど)・鎮静薬でストレス反応を抑え、交感神経の過剰刺激を防ぎます 。

抗線溶薬(トラネキサム酸)の投与
緊急手術前や治療準備中の場合、約72時間程度の短期的投与で再出血リスクを下げる戦略も報告されています。

安静の徹底と室内環境の調整
ベッド上安静、照明や音の刺激の制限、排便時の力みに配慮。

  1. 急性期検査と診断
    迅速な頭部CT撮影
    症状出現後の数時間内に実施すべき最初の検査。出血の有無を即座に確認 。

CTで判断困難な場合のMRI/腰椎穿刺
少量出血や時間経過後ではCTで見えにくい場合があり、MRI-FLAIRや髄液検査を考慮。

血管造影(CTA/MRA/DSA)
動脈瘤の特定と、早期治療の準備に不可欠です 。

  1. 原因治療(動脈瘤への介入)
    72時間以内の処置が推奨される
    再出血を防ぐため、なるべく早く治療を開始 — 状況が安定すればクリッピングやコイル塞栓術などの原因治療へ。

クリッピング術 vs コイル塞栓術
動脈瘤の位置や大きさ・患者の全身状態により選択されます。コイルは低侵襲が特徴。

  1. ICユニット・集中治療管理
    血圧・ICP(頭蓋内圧)モニタリング
    再出血防止のための継続的な監視が必須となります。

脳血管攣縮への対応
発症後3〜14日がピーク期。脳梗塞防止のため、3H療法(Hypertension, Hypervolemia, Hemodilution)を用いて血流を維持します。

頭蓋内圧(ICP)制御
必要に応じ腰椎・脳室ドレーン挿入、過剰な水分を排除してICPを下げ、二次性損傷を回避。

  1. 合併症の予防と管理
    再出血:発症後24時間以内が最も危険。降圧・鎮静・鎮痛・安静を徹底。

脳血管攣縮:血流悪化に繋がりうるため、早期の循環管理と画像モニター。

水頭症:SPシャントやドレナージで対応。ICUで観察継続。

〇まとめ表
フェーズ 対応のポイント
救急搬送 迅速通報・血圧や意識のモニター
救急外来対応 血圧・ICP管理、鎮痛・鎮静、抗線溶薬、安静環境調整
検査 頭部CT → MRI/穿刺 → 血管造影
原因治療 72時間以内にクリッピング or コイル
ICU管理 血圧/ICP監視、脳血管攣縮・水頭症の予防と治療

〇 なぜ急いで治療すべきなのか?
再出血防止が最重要:最初の24時間での致死率上昇を防ぐことが生存と予後に直結します。

脳血管攣縮の予防:脳梗塞を未然に防ぎ、機能回復や障害軽減に繋がります 。

ICPコントロールが脳保護に直結:余分な圧を取り除くことで、脳への二次損傷を避けられます 。

発症時は“時間との戦い”です。迅速な診断・搬送・血圧コントロール・再出血予防・原因動脈瘤への処置が、患者さんの生存率と機能回復を大きく左右します。

次に効果的なリハビリテーションについてになります。

くも膜下出血後の効果的なリハビリテーションは、発症直後〜維持期にかけて段階的・個別に継続することが重要です。以下に、主なポイントを時期別・機能別に詳しくご紹介します。

  1. 急性期(発症直後〜数週間)
    超早期からの着床型介入:
    ベッド上での体位変換や関節可動域訓練、軽い筋力維持運動を行います。呼吸訓練や嚥下リハビリも併せて開始し、誤嚥性肺炎予防にも配慮します。

早期離床・座位への移行:
全身状態が安定次第、起き上がり、座位、車椅子移乗、立位保持の練習へ進行。虚血や拘縮を防ぎ、基礎的な動きを取り戻す準備段階となります。

  1. 回復期(数週間〜6ヶ月)
    筋力・歩行・バランス訓練:
    片麻痺に対してストレングストレーニング、ストレッチ、電気刺激療法などを導入し、歩行や姿勢保持能力の回復を目指します。

ADL練習(日常生活動作訓練):
食事・更衣・トイレ・入浴など、生活に不可欠な動作の練習をチーム(PT・OT)で進め、自立した日常を目指します。

言語・嚥下リハビリ:
構音障害や失語、嚥下障害に対して、言語聴覚士による発声練習、単語想起、嚥下運動を行い、コミュニケーション・安全な食事を取り戻します。

高次脳機能リハビリ:
記憶力、注意力、遂行力の障害に対しては訓練プログラムや作業課題を用い、認知機能を強化します。
心理・社会的支援:
うつや不安、自己効力感の低下に対応するカウンセリング、目標設定、家族支援を行い、モチベーション維持と社会復帰を支えます。

  1. 維持期(6ヶ月〜数年)
    自立生活と継続リハビリ:
    外来リハビリ、訪問リハビリを利用し、回復した機能を強化、維持しながら、社会参加(仕事・趣味)への適応を進めます。

自主的なトレーニング強化:
家庭での自主トレや課題を継続し、リハビリスタッフや家族によるフォローを受けながら、活動レベルを高めていきます 。

心理支援の継続:
社会復帰・自立への不安などに対して、定期的な相談やグループサポートを通じて心理面を支えます 。

〇 リハビリ成功の鍵
早期開始:急性期からの積極的介入で回復の可能性が高まる 。

個別化されたプラン:麻痺・認知・嚥下・言語など、多様な症状に合わせた総合的アプローチが効果的。

多職種チームによる継続支援:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理士が密に連携することで、身体面・心のケア・社会復帰を支援。

長期的展望:維持期まで継続し、「再プログラム」「生活への定着」を目指すことが社会復帰に直結。

〇プログラム例(3ヶ月プラン)
期間 主なリハビリ内容
発症〜2週 体位変換、関節運動、嚥下練習などの早期介入
2週〜3ヶ月 歩行訓練、ADL訓練、言語・高次脳リハビリ
3ヶ月以降 自宅訪問や外来での継続訓練、目的に合わせた社会参加支援

リハビリは「早く始めて、長く続ける」ことが何より重要です。身体・認知・心理の回復を総合的にサポートする体制と継続的なケアが、自立した生活と社会復帰を後押しします。ご本人・ご家族ともに、専門家と緊密に連携しながら取り組まれることをお勧めします。

いかがでしたか?
少しでも参考になったなら幸いです。
引き続き、我々ミライズが皆様の健幸に寄与できる存在でいられるよう尽力して参ります。

株式会社エイジエル
脳梗塞リハビリMe:RIZE(ミライズ)
城内 洋人

くも膜下出血の要因、発症時の対応、効果的なリハビリについて

【脳梗塞リハビリミライズとは】

奈良や大阪を中心に脳卒中などのリハビリにお困りの方々へ自費リハビリを提供している理学療法士を中心としたオーダーメイドのリハビリ施設です。

またボツリヌス療法の第一人者である勝谷将史医師に定期的に起こし頂き、脳卒中特有の筋肉のこわばりを軽減させるボツリヌス療法や装具外来をサービスの一つに持ち、医師の指示の下、安全にリハビリを受けることが可能なリハビリ施設でもあります。

リハビリが必要な方へ
必要な時、必要なだけ我々はリハビリをご提供いたします。

ミライズはあなたの未来を諦めません!

📞0120‐814‐213

無料体験実施中です。
お問合せお待ちしております。

関連記事

その他

ご報告

PAGE TOP