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脳性まひの発症要因、発症時の対応、効果的なリハビリについて

みなさんこんにちは。奈良県香芝市の自費リハビリ施設
脳梗塞リハビリMe:RIZE(ミライズ)の理学療法士、城内 洋人です。

今回は、脳性まひの発症要因、発症時の対応、効果的なリハビリについてお話していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。

脳性まひは、成長段階にある脳の発達異常や損傷により、運動・姿勢・動作の制御に障害が現れる非進行性の神経障害です。

  1. 定義と原因
    発症時期:胎児期〜出生直後(生後4週以内)の脳損傷が主な原因。

主な原因:低酸素、感染症(風疹・サイトメガロウイルスなど)、早産や低出生体重、脳出血・脳梗塞、外傷、黄疸などです。

進行性ではない:障害は生涯持続するが、進行しない点が特徴と言われています。

  1. 主な症状と分類
    痙直型(スパスティック):筋肉が硬く、代表的なタイプ(全体の80%)。

ジスキネティック型(アテトーゼなど):不随意運動。

運動失調型(アタキシア):協調運動障害。

混合型:複数の障害パターンを併せ持つ。

その他の合併症として、てんかん、知的障害、視覚・聴覚障害、嚥下障害、二次的な関節変形や筋短縮なども見られます。

  1. 診断方法
    発達面の遅れ(首すわり、ハイハイ、歩行)を手がかりに疑いが浮上。

画像検査(MRI/CT)で脳の損傷部位や程度を確認。必要に応じて血液検査や遺伝子検査も。

  1. 治療とリハビリの中心性
    根治治療はなく、リハビリが治療の核。

薬物療法:痙縮に対する内服(バクロフェンなど)やボツリヌス注射。てんかん合併時は抗てんかん薬。

手術療法:重度の痙縮や骨変形への整形外科的介入(ショートニング手術など)。

装具療法:歩行や関節保持のためのAFO(足底装具)など。

  1. リハビリテーションアプローチ
    日本の臨床ガイドラインでは、以下のような多角的プログラムが推奨されています:

筋力トレーニング:スクワットや段差昇降など、下肢中心に日常に結びつく動きを習得する運動学習。

装具併用訓練:AFO使用により姿勢や歩行補助を実現。

ロボット療法:歩行支援型ロボットによる反復訓練で学習効果を最大化。

環境調整と援助:家屋のバリアフリー化、福祉機器の導入などで日常の自立を支援。

チームによる総合支援:PT, OT, ST, 医師, 家族を含めた多職種での一貫した継続的サポート。

  1. 最新・先端技術
    強度の高い集中リハビリ:米国の「Steps to Independence®」のように、セラピーを複数時間続ける集中的モデルで効果あり。

バイオ技術/再生医療研究:幹細胞治療なども一部で注目(まだ研究段階)。

  1. 生涯にわたるケア
    脳性まひはライフステージに応じて支援が変化します:

乳幼児期:発達促進と早期介入。

学童期:学校環境に適応する支援と社会参画促進。

成人以降:慢性痛、加齢による二次障害、就労や社会参加の支援。

〇まとめ
脳性まひは非進行性の脳障害で、リハビリと支援が生活の質を左右します。

効果的なリハビリには「早期開始・継続的・多職種チーム・生活に即した実践」が必須です。

新技術(ロボット、集中プログラム、再生医療など)も注目されていますが、エビデンスに基づくアプローチが重要です。

各年齢・症状に応じた支援プランを、主治医やリハビリ専門医と相談しながら立てることが大切と言われています。

次に脳性まひ(CP)の発生要因になります。
主に「胎児期〜生後早期」の脳損傷に由来し、その原因やリスク要因は多岐にわたります。以下に整理しました。

  1. 胎内(出生前)の原因
    脳の奇形・発達障害:遺伝的異常や神経細胞の遊走障害などが約34%を占めます。

胎内感染症:母体の風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなどによる胎児感染。

妊娠中の母体ストレスや栄養不良、放射線暴露などの影響も指摘されています。

  1. 周産期の原因(出生時)
    低酸素性虚血性脳症(新生児仮死):酸素不足による脳細胞損傷で、全体の原因のうち8〜12%程度。

脳出血・脳梗塞などの血管障害:出生前後の脳血管障害が約46%を占めると報告されています。

早産・低出生体重:特に早産児はCPのリスクが高く、妊娠28週未満では発症率が急上昇します(全体1~2‰ → 100‰ほどに)。

  1. 生後(出生後)の原因
    核黄疸:新生児期の過度な黄疸による脳損傷。

中枢神経感染症:髄膜炎やサイトメガロウイルスなどの感染が約6%。

その他:頭部外傷なども稀に原因となります。

  1. その他のリスクファクター
    母体における重度の疾患や毒素への暴露

多胎妊娠・胎盤機能不全・帝王切開などの周産期合併症。

〇 発症要因の割合まとめ
原因分類 発生割合(目安)
胎内発達異常 約34%
血管障害 約46%
新生児仮死 8〜12%
中枢感染 約6%
説明不能 非常に少数

※ 一部研究では「出生時の酸素不足」は約9%しか占めず、主因ではないとする報告もあります。

〇 まとめとポイント
脳性まひは胎児期から生後約1ヶ月以内の脳損傷が原因で、原因は明確ではないケースもあります。

一番多いのは胎内・出生後の血管系や感染などによる障害であり、仮死(無酸素状態)よりも影響が大きいケースが多いです。

早産・低出生体重児はCPリスクが非常に高く、注意深い管理が重要です。

次に脳性まひ(CP)の発症時の対応について、最新の臨床ガイドラインや研究成果に基づいて以下の通り整理しました。

  1. 早期診断とリスク評価
    リスクある赤ちゃん(早産・低体重・出産時合併症など)は、生後数か月以内に評価を始めることが重要です。オーストラリアや米国では「生後3~4か月でCPを高精度に診断できる」と報告され、早期介入の効果が示されています。

NICEや各国ガイドでは、脳画像検査(MRI等)、神経学的評価、発達チェックを職能チームが連携して実施することが推奨されています。

  1. 多職種による評価とケア計画
    チーム医療体制:小児神経科医、リハビリ科医、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語療法士(ST)、看護師、MSWなどが早期から関わります。

家族の巻き込み:保護者への状態説明 。

次に脳性まひにおける効果的なリハビリテーションについてです。
神経可塑性を活かした早期・集中的・多面的なアプローチがカギです。

  1. 早期・継続的介入
    Early Intervention:生後3〜4ヶ月から始めることで、脳の“再配線(rewiring)”が促進され、運動・認知機能の改善につながると言われています。

家庭での継続プログラム:保護者と一緒に行う日常生活動作の訓練は、強度と適切性が重要 。

  1. 身体機能向上への集中訓練
    Constraint-Induced Movement Therapy(CIMT):単能性麻痺改善に中程度のエビデンスがあります。

ゴール指向・日常動作トレーニング:歩行訓練などゴールに基づく訓練が効果的です。

歩行・バランストレーニング:歩行速度・バランス能力の向上に有効 。

  1. 最新テクノロジーの活用
    ロボット支援リハビリ:歩行や手のリハビリに強化効果あり 。

バーチャルリアリティ(VR):バランスや歩行、上肢機能向上に効果的。神経可塑性への影響も報告あり。

機能的電気刺激(FES):一側性痙性CPに対し筋力向上・拘縮改善に有効 。

モーターイメージトレーニング(MI):想像による運動訓練で神経ネットワークが活性化。

  1. 遠隔・補完的支援
    テレリハビリ:特に軽度・中等度の子供で、有効性が示されており、アクセスが限られる地域でも選択肢に 。

補完的認知訓練:実行機能や視覚認知に対し、認知リハビリとの併用で相乗効果 。

  1. 多職種・環境調整アプローチ
    チームによる総合ケア:医師・PT・OT・ST・心理士・保護者が一体となったサポートが基本 。

環境や補助具の整備:AFO等とリハビリの併用で機能向上。家庭や学校での支援も重要。

〇おすすめ戦略まとめ
要素 具体例
開始時期 生後3〜4ヶ月〜
強度 週複数回、家庭と病院・施設で連携
専門性 CIMT、ゴール訓練、バランス練習
技術応用 ロボット、VR、FES、モーターイメージ
補完支援 テレリハ、認知トレーニング
環境整備 装具、住環境、学校連携

実践アドバイス
早期評価・介入:リスク児(早産・低出生体重・合併症)で専門受診を

多職種体制の構築:PT/OT/ST・医師・心理支援を連携

テクノロジー活用プラン:ロボット・VR・FESを試す

家庭プログラムの導入:保護者と連携した継続支援

定期的再評価:機能変化に応じてプログラム調整

総じて、早期・強度・技術・多職種・家庭の5本柱による統合的なリハビリが、脳性まひにおける生活の質と機能回復に最も効果的です。

いかがでしたか?
皆様の健幸の一助になれば幸いです。
ではまた!

株式会社エイジエル
脳梗塞リハビリMe:RIZE(ミライズ)
城内 洋人

脳性まひの発症要因、発症時の対応、効果的なリハビリについて

【脳梗塞リハビリミライズとは】

奈良や大阪を中心に脳卒中などのリハビリにお困りの方々へ自費リハビリを提供している理学療法士を中心としたオーダーメイドのリハビリ施設です。

またボツリヌス療法の第一人者である勝谷将史医師に定期的に起こし頂き、脳卒中特有の筋肉のこわばりを軽減させるボツリヌス療法や装具外来をサービスの一つに持ち、医師の指示の下、安全にリハビリを受けることが可能なリハビリ施設でもあります。

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